新組と復刻、オンデマンドについて

八幡書店のHPに掲載の書籍につきましては、皆様のご購入の参考になるように、「新組」「復刻」「オンデマンド」を明記するよう心がけております。

新組とは、要するにふつうの本屋さんで売っている本と同じで、あらたに活字を組んで印刷した本です。大宮司郎先生の神法道術シリーズをはじめ、完訳秀真伝、完訳上紀、大石凝真素美全集、本田親徳全集、定本竹内文献など弊社ではじめて刊行される本は、当然すべて新組になっています。また、過去に出版された古典でも、霊界物語、異境備忘録なども新組になっています。

これに対して、復刻版は、昔に刊行された原本をそのまま製版し、復元したものです。皆さんが原本を入手できればいちばんよいのですが、入手が不可能か、あるいは入手するのに膨大な時間と資力を要するので、かわりに弊社が復元複製して配布しているとお考え下さい。

なぜ新組にしないのかと思う方もおられましょう。理由は費用の問題もありますが、元本をそのまま復元して後世に伝えるという文化的社会的な意義もあるからです。戦前の資料が多いので、当然のことながら、旧漢字、旧仮名です。また、印刷は元本の状態に左右されます。可能なかぎり保存状態の良好な原本を蒐集して印刷に付すことを心がけておりますが、全国に1冊しかない、3冊しかない、というものも多く贅沢は言っておれないケースがままあります。元本に文字のかすれ欠けがあれば、そのまま復刻版に反映されます。またたいていの元本は経年のためシミがあります。出来るだけ修正を施してはおりますが、シミが文字の部分に食い込んだりして限度があります。

こう申しますと、腰が引ける方もおられるかと思いますが、全般に昔の本は、活字が今よりもかなり大きく、フリガナも多いので、思ったより読みやすいものです。

もちろん、戦前の本ですから、旧漢字(「伝」を「傳」という類)、歴史的かな遣い(「言う」を「言ふ」という類)ですから、最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてしまえば、まったくどうということはなく、確実に世界は広がります。たとえば、復刻版の「神伝霊学奥義」を読むのは、ふつうに新聞が読め、このサイトを読める方には、ノープロブレムとは申しませんが、それほどハードルの高いものではありません。まあ、そのへんの通俗小説を読むよりは難しいかもしれませんが、デリダであるとか、ドゥルーズであるとか、いわゆる現代思想関係の本—-当然のことながらそれらは新組、当用漢字、現代仮名遣いですが—-を読むことにくらべれば、100分の1の努力も不要です。ですから、「復刻版、恐れるに足らず」と言えましょう。

なお、オンデマンド版というのは、基本的に復刻版と同じですが、さらにマニアックで特殊な冊子をコピー袋とじ簡易製本という形態で頒布しているものです。たいへん珍しい資料が多いのが特徴ですが、江戸、大正期の木版本、写本が多く、基本的に下記に説明の道骨の必要なものが多いと考えられます。また原本のシミ、汚れ、虫くいはそのままで修正しておりません。すでにあるテーマに深い関心をお持ちの方、マニアの方、センスのよい方、物事の道理をわきまえた方は別として、初心者の方が最初にいきなり購入するべきものではありませんので、注意してください。

歴史的かな遣い(旧仮名)と旧漢字

神道、霊術、密教関係の書籍を読むには、どうしても歴史的仮名遣い(旧仮名)は避けて通れません。歴史的仮名遣いとは、「言う」を「言ふ」という類の表記です。国語が現在のような表記になったのは、ごく最近も最近、戦後のことで、それまでの本はすべてこの歴史的仮名遣いで書かれています。
従って、復刻版、オンデマンド版の書物は、すべて旧仮名、旧漢字の表記です。

また、基本的に歴史的文献を新組にする場合、漢字はすべて新漢字に置き換えますが、仮名遣いは原文のまま、というのが原則です。

従って、霊界物語も異境備忘録も、漢字はすべて新漢字になおしておりますが、かな遣いは歴史的仮名遣いのままです。霊界物語につきましては、大本信徒や愛善苑の信者さんの中には、普及するため、読みやすくぜんぶ現代仮名遣いにせよ、という人がおられますが、じゃあ、物語のなかに出てくる神名や祝詞、神歌はどうするのか、という問題があります。これをすべて現代仮名遣いにするとたいへんな違和感が生じます。これは文化と感性の問題です。

そもそも、そのへんの神社でも、祝詞を奉書紙に書くのはすべて旧かな遣いです。大宮先生の神法道術シリーズも、説明本文は現代かな遣いですが、呪文や秘文は、すべて旧かな遣いです。これは、あたりまえのことですので、ご了承ください。
そもそも古神道や密教、陰陽道を勉強しようというのに、歴史的仮名遣いに抵抗があるというような方は、これはもう申し訳ありませぬが、縁なき衆生ということになりましょう。

道骨を養う

新組、復刻にかぎらず、入門者にはとっつきの悪い本、歯ごたえのある本というものはたしかにあります。そういう本は説明に「道骨が必要」と明記してありますので、ご注意下さい。「道骨」とは、ひとつの道を追求するための根性という意味です。時にはこういう本にチャレンジして、道骨を養うことが、上達につながります。易学や占術関係の書籍にはこの種のものが多いですが、逆に言うと、これくらいのものが読みこなせないと、あるいは読んだふりをしておかないと、その道のプロとは言えないということです。少なくとも道場、一家、教会を構えている方は、こういうものも書架に備え、隠れてでも勉強しておきませぬと、門人のなかに弊社の読者がおられた場合、てんでもない赤恥を書くことになりかねませんので、必ず購入しておいたほうがよいでしょう。

情報の価値と大人買い

弊社では、個々の本について内容がどうだこうだという細かいご質問には原則的にお答えしておりません。このWEBまたは紙のDMに書かれた情報で判断して下さい。1冊たったの2800円から1万円の本が大半です。むかしは霊符を1符、祈祷法をひとつ教えてもらうのに2万、3万、5万があたりまえだったのです。2800円から1万円の本を購入して、ぜんぶは読めない、あるいは少しむつかしいところがあったとしても、わずか一つでも役に立つ法術があり、情報があり、霊智が得られれば、これは大もうけです。そういう意味では、弊社の本はすべて宝の山です。

で上に書いたことと矛盾するかもしれませんが、初心者のうちから、ばんばん道骨の必要な本でも、オンデマンド本でも手当たり次第に大人買いされる方は、 必ず得るところがあるものです。本をたくさん買う方は、それだけ知識欲が旺盛な方ですから、旧字でも旧仮名でも、古文でも漢文でもすらすら読めるようになるので、それだけ世界も広がり、神法道術も上達するというものです。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク