大宮司郎先生が語る霊学実践のための必読本『霊学講座』

*これは『霊学講座』の初版刊行時の記事です。この度、増補版で増刷されました。

増補 霊学講座

平成2年7月の『八幡書店ニュース』より転載。

霊学との決定的な出会いの書

――『霊学講座』が八幡書店からこのほど復刊されて以来、大きな反響を呼んでいます。大宮司朗先生が本書と出会われたのはいつ頃ですか?

大宮 私が一番最初に『霊学講座』に出会ったのは小学校の頃です。当時からすでに私は霊術的なものに強い関心があって、たまたま伯父の家へ行った時に『霊学講座』を発見したのです。

それを読んでみると、ひじように面白く、かつ実践的なので、これはぜひとも欲しいということで、伯父にお願いしたのですが、人から借りたものだということで、もらえませんでした。でも、本なのだから探したらあるだろうと思って、その後、八方手を尽くしたのですが、結局『霊学講座』を手に入れたのは大学に入学した頃でした。『霊学講座』はなかなか入手できない稀観書(きこうしょ)だったわけです。

――『霊学講座』は大宮先生が霊学について本格的に勉強するきっかけの本だったわけですね。

大宮 そういうことになります。私の霊学との大きな出会いの一冊が『霊学講座』であることは間違いありません。しかも著者の松本道別(ちわき)は早稲田大学の前身である東京専門学校で学んでおり、私も早稲田大学を出ておりますので、いってみれば私の大先輩にあたり、深い神縁を感じざるをえません。とにかく『霊学講座』は内容が際立っています。霊術や霊学を学ぶ上でこれほど有意義な本はほとんど見受けられません。

実践可能な霊術・霊学の極意書

――『霊学講座』はどんな初心者でもきちんとプロセスに従って読んでいけば、ちゃんと実践ができるんですね。

大宮 そうです。霊術や霊学とはなんであるかが一通りわかるし、本書を自分のものにすれば、霊学を実践活用する目が開けてきます。これまで霊学や霊学に関する本をある程度読んでいるにもかかわらず、なかなかその極意がつかめないという人は、迷わず『霊学講座』を読めばよいのです。松本道別自身が自分で体験しながら著した本であり、やはり本物ですから、正確で、一言一言重みがあるということです。

行学兼備の霊学の大家

――霊術家や霊学者は往々にして一人一党みたいなところがありますが、松本道別は霊学や霊術の教授法にも秀で、その門からは優れた弟子が輩出していますね。

大宮 やはり能力があったということなんでしょう。松本道別は学識が豊かだし、霊的な資質も際立っていました。その辺の霊術家いわゆる神憑(かみがか)りをやる人というのは学識が乏(とぼ)しい場合が多いです。とにかく霊はかかるものの、なぜ、かかってくるのかはわからない。逆に学者先生というのはいろいろ読んでいるので理屈だけはこね回すけれども、実際に神憑りをやってみせろといったってなにもできないわけです。学もあり、行もできるといった両方の特質を兼ね備えた兼学の大家が松本道別だと思います。

――松本道別は霊学はもちろん、漢学もでき英学もでき古典も造詣(ぞうけい)が深いですね。

大宮 普通の霊術家でそこまで深い学識を誇れる人はいません。科学方面も明るいですしね。

――松本道別の門下には、野口整体でおなじみの野口晴哉(はるちか)がいますね。

大宮 野口晴哉のやり方の根本にはどうみても『霊学講座』の影響を受けているとしか思えない部分があって、一般に整体をやる人や治療師は『霊学講座』を探し求めて、一種のタネ本として活用している人が多いようです。本書にはいろいろな治療法が紹介されており、素人がそうした治療法をやっていいかという問題もありますが、素人ですら『霊学講座』を習得すればプロの域に達することができるくらいの高度な治療法が習得できるのです。

――松本道別の弟子には、神道天行居(てんこうきよ)幹部の井口寅二(とらじ)や武田玄雷(げんらい)がいますが。

大宮 天行居の第二代宗主になった井口寅二は霊学における友としてでありましょうが、松本道別のもとにきて神憑りによる鑑定法などを請うているし、天行居の師範であった武田玄雷も鎮魂法や帰神法を学んでいます。

▲霊学道場主範の松本道別

鎮魂法や帰神法の奥義も公開

――神道霊学研鑓の要諦のひとつは鎮魂法や帰神法ともいわれますが。

大宮 たとえば、大本では草創期において鎮魂法や帰神法が盛んに行なわれていましたが、弾圧事件後の大正11 年頃には表舞台から消えちゃうんです。というのは後の心霊学研究の大御所となる浅野和三郎らが帰神法に関してあまりにも派手な宣伝を展開したこともあって大本弾圧の一因となり、その後、浅野が去ったあとの大本は鎮魂法は今でも継続しているものの、帰神法はやっていません。そういう点からいうと帰神法まで一番実践的にやっていたのは松本道別が代表格でしょう。

――『霊学講座』には帰神法の正しい方法が書かれていますので、その通りにやれば安心だということでしょう。

大宮 そういうことですね。松本道別は霊力の充実が自然に培われる方法として催眠術を重視していますが、その催眠術のやり方を詳述する一方、鎮魂法や帰神法に関しても理論的実践的に説明しています。

――松本道別は催眠術の大家でもあったようですね。

大宮 催眠術に関していえば、当時の催眠術はものすごく遅れており、ある物体を見させておいて、目が疲れるのを待って、催眠術をかけるという形のものが結構多かったにもかかわらず、松本道別は一番進んだやり方である観念法を用い、自在に速やかに誘導したわけです。また現在の催眠法は暗示だけでやる方法が多いのですが、松本道別は気を用いて相手を催眠状態に導く方法も紹介しています。単なる暗示だけではなく、気を相手の頭脳部に送って催眠状態にかけるといった特別な方法も記しています。

▲『霊学講座』の貴重な原本

潜在能力を自在に発揮する観念法

――松本道別が説く観念法の効果はすごいものがありますね。

大宮 観念法は自己催眠法の一種で、自己の肉体の随意筋(ずいいきん)のみならず不随意筋をも自由に扱う方法です。人間というのは通常自分の体を自在に動かせないわけです。ところがこれを自在に動かせるというのは、あらゆる武道や運動を行なう場合においてすごいことなんです。

――観念法は自分の力を最大限に発揮する方法なんですが、これは確かにありがたいことです。

大宮 ヨガ行者の中には意識的に自分の心臓の鼓動を止めることができる人もいますが、これも観念法の一種です。不随意筋まで自由自在に活用できるのです。観念法は潜在能力を発揮する秘法ですから、観念法に通じてさえいれば日常の力の何十倍もの力を出せるわけです。たとえば、普通なら出ない力をおこすことを、俗に火事場のバカ力といいますが、そうした力をいつでも即座に出す方法が観念法なんです。

――なるほど。観念法は潜在能力を高める方法であり、それをマスターすれば潜在能力を発揮できるわけですね。それから催眠術と鎮魂法、帰神法との違いを混同している人が多いようですが。

大宮 昔に限らず現在でも、催眠術と鎮魂法と帰神法をまるっきり混同している人が多いのは困った現象です。松本道別はその違いというものを画然とわけでいます。

ある種の宗教団体では、今でもただ単に一種の催眠状態に過ぎない現象を神や霊がかかってきたといって騒いでいます。それは催眠術を知った目からみれば、単なる潜在意識が表に出てきただけということがはっきりと指摘できるのです。またその一方で、実際に神や霊がかかってきているにもかかわらず、単に暗示現象であるというふうに簡単に片づけてしまう傾向もあります。

『霊学講座』はそういった過(あやま)ちを正す意味でも、また真の催眠術や霊術とは何か、真の鎮魂法や帰神法とは何かを再認識する上でもたいへん役に立ちます。

――帰神法に関して霊動が激しくなれば、人によっては不安になるかもしれませんが、自分で霊動を止める方法も『霊学講座』には記されていますね。

大宮 もちろんです。こういうエピソードがあります。大本出身の谷口雅春(たにぐちまさはる)が生長の家という一派を聞き、そこで弟子に神想観という一種の鎮魂法をやらせたわけです。それによって一種の神憑りというか霊憑りをおこす人もいましたが、弟子が霊動を鎮(しず)めることができなくなったのです。ところが、谷口雅春は一喝でそれを鎮めることができました。なぜ谷口にはできて弟子にはできなかったのかというと、霊縛(れいばく)法をマスターしていたか否かにかかっていたわけです。

霊的天才は守護神や守護霊の働きによって生来的に霊縛法ができる場合もありますが、ほとんどの人はそれができないのが実情です。『霊学講座』には霊といかに対処するかの方法が書かれていますから安心なのです。

とにかく、一般の人は霊と対処した場合や神霊を審神(さにわ)する場合の基本原則がわかっていないから厄介(やっかい)なことになりがちです。『霊学講座』には、そうした基本原則がすべて書かれていますので、本書を踏まえた上で実践すべきだと思います。

▲霊術・危険術の一例

神道霊学研究で必須の魂魄論

――『霊学講座』には、いわゆる三魂論、すなわち魂魄(こんぱく)論についても述べられていますね。

大宮 霊学の重要な部分はある意味では魂魄論なわけです。松本道別は『霊学講座』の中でも魂魄論について書いておりますが、本書には付録として「霊学春秋」に三回にわたって連載された『霊魂の研究』も特別付録として収録されています。

魂魄や霊魂を論じる場合においてやはり最低限こうした知識がなければ論じようがないのであって、霊学云々かんぬんという場合においては霊魂とは何かを知らなければならないのはいうまでもありません。少なくとも松本道別の本を読んでいなければ論じる資格はないといってもよいでしょう。

霊魂問題に関しては、キリスト教や仏教からの霊魂論はいろいろ論議されてきましたが、神道における霊魂論に関しては、川面凡児(かわつらぼんじ)や出口王仁三郎や友清歓真(ともきよかんしん)などは別として、ほとんど論議の対象にすらなっていないわけです。

古神道を実践という意味においては、やはり松本道別の魂魄論は押さえておく必要が絶対にあると思います。

気の本質についても論述

――最近でこそ、「気」が注目されていますが、松本道別は『霊学講座』で人体放射能という名称を付して気について深い洞察を行なっています。

大宮 今日になってようやく気の問題が学問的な研究対象になりつつありますが、松本道別は当時から気がどのような働きをもっているか、自分自身でいろいろな研究を重ねているのです。物理的科学的な作用も含めて気がどのような働きをもつのかを全部試しているわけです。そういう意味でも先駆的であったわけです。単に気で病気を治すという問題だけならば、当時の霊術家は実際に行なっているのですが、病気治しだけではなく、気の実態にまで分け入って、気とは何かというところを突き詰めようとした功績は大きいものがあります。

貴重な霊学座談会も収録

――『霊学講座』の付録には、『霊魂の研究』のほかに、雑誌『話』(昭和11年10月号)に掲載された『魔界霊界を語る異常感覚者「話」の会』が収録されていますが、これは貴重な資料ですね。

大宮 これは面白い座談会で、松本道別をはじめ、民俗学者の柳田国男、心霊学研究の浅野和三郎、神祇伯家伝の鬼倉足日(おにくらたるひ)(鬼倉重次郎)、国安普明(くにやすふみょう)仙人を世の中に紹介した松井桂蔭、心霊研究の茂木(もぎ)平太郎が一堂に会して対談を行なっているわけですが、当時の神霊界というか神道霊学界というかそうした霊的世界の一断片を垣間見る感じで、実に貴重であり、意義があると思います。

神示によって記された貴重な内容

――松本道別の特徴は、確固たる神観がパックボーンとして貫かれているということですね。

大宮 その通りです。『霊学講座』は神の実在を体験した上で書かれていることに大きな価値があります。古神道をやる人間は自分自身で神の存在を実感できなければならないわけですが、松本道別は神を感じ、神と交流し『霊学講座』を書き上げたのです。ですから『霊学講座』は神示によって書かれた本であり、人間の知識では判らないところは幽の帰神もしくは顕の帰神などによって神に問い質して書いているという点で貴重きわまりないのです。

霊学研究者の必読書

――とにかく『霊学講座』は内容的にすごいものでありながら、初心者でもわかりやすく実践できるというのが魅力ですね。

大宮 『霊学講座』に関してなんといっても重要なことは、本書収録の各項目はいずれも、説明が詳細だということです。呼吸法にしても深息(しんそく)法や数息(すうそく)法から、神仙道の奥義である胎息(たいそく)法や行気(ぎょうき)法まで、そのほか精神集注法、交霊法、鎮魂法、帰神法などにしてもそうですし、印の結び方から、いわゆる審神となる人の印契の結び方、石笛の吹き方、その起源から方法、効果までが具体的に書かれています。どれをとっても大変なものです。文章も簡潔明瞭で勢いがあって読みやすいです。

また何度も繰り返すようですが、交霊法における霊縛(れいばく)法や霊威(れいい)法など、いかに霊に対処するかの方法をはっきり明記している点でもひじように貴重であり、重要であるわけです。

とにかく、霊学を学ぼうとする初心者にとっても霊学研鑓者にとっても、『霊学講座』は必読書だと申して憚(はばか)りません。

▲五十鈴川上流の鰒石にて

増補 霊学講座

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古神道行法のすべてがここに!!大宮司郎先生の神法道術シリーズ

ロングセラーを続けている大宮司郎先生の「神法道術直伝シリーズ」……伝法料が一法何万円もする未公開の重秘の修法を満載した本シリーズは、他に類書がなく、古神道のデファクト・スタンダードとしてすでに書架に揃えておられる方も多いかと存じます。しかし、最近、古神道に興味をもたれた方からは、いったいどのような内容なのか、どの本から読み進めればよいのかという質問が多く寄せられています、そこで弊社社主による問答芸式の説明を掲載することになりました。


――八幡書店の刊行物にはいくつかの柱がありますが、その中心になるのが大宮司朗先生の神法道術直伝シリーズですね。

武田 そうですね。古くからのお客様はすでにお持ちかと思いますが、最近になって古神道に興味を持たれて、いったいどこから入ったらいいのかわからないという方には、まずこのシリーズから揃えて頂きたいと考えております。

――まず大宮先生とはどのような方なのか、来歴についてご存知ない方もおられるようなので、差し支えない範囲で教えて頂ければと思います。

武田 これはもうこの道の方なら誰でもご存知のことですが、大宮先生は、幽真界に肉身をもって出入し、神界の玄秘を現界にもたらされたある神人のご縁戚で、幼少の頃よりその謦咳に接し薫陶を受けてこられたわけです。そのような霊的な環境に身を置かれていたうえにたいへんな勉強家でもあり、なんと小学生のときに松本道別の『霊学講座』を読破し、霊術の基本はすべてその頃にご自分でいろいろ実験し会得されたのです。

――小学生にして松本道別『霊学講座』を読破されたというのは尋常ではないですね。

武田 いわゆる神童です。先生も『霊学講座』には思い入れがあって、三十年前に先生の解説付きで復刻しました。復刻版なので旧漢字、旧仮名でそれを難しいという人もおられますが、先生は小学生のときに読破されたのです。奥秘に触れるためにはそれくらいの道骨が必要なのです。そういう先生ならばこそ、数奇な神縁をたどる道程で様々な流れの重秘の神法道術を授かり、玄学の秘奥に通じるに至り、古神道の最後の秘儀継承者ともいうべきお立場におられるのです。そういうお立場もつらいものがあって、妄りに重秘の奥義を漏らせば彼の界より泄法の罪に問われ、また何も伝えなければ断道の罪に問われます。そのため先生は重秘の伝につきましては、客筋のよい八幡書店の神法道術直伝シリーズにおいてのみ明らかにされているわけです。

――いずれも価格は1万円以上しますが、それだけのことはあるのでしょうか?

武田 神法道術シリーズには、本来ならば一法で3万円というような修法や符咒が惜しげもなく公開されています。昔は本では神法道術は学べませんでした。すべて口伝ですから時間と交通費をかけて伝授してもらいに行った、それが例えば『玄秘修法奥伝』には未公開の古神道の印咒だけで百法も収録されているのです。ですからあまりこういう言い方はしたくないのですが、どれか一法だけでもマスターすれば元は十分すぎるくらいとれるわけです。ぜんぶマスターされたらそれこそ値千金です。

――逆に言うと、どれか一法だけでもマスターすればいいと考えれば、学ぶ側としても気楽ですね。

武田 そうですね。どの本にも必ずマスターすべき応用性の広い術から、かなり特殊な術まで収録されています。『玄秘修法奥伝』でしたら、霊符謹製の伝や拝神印や注連の印あたりは必須ですが、そうでないもの、個々人の修道の目標に応じて修得すべきものもあります。そこはその方の気線の問題で、ある方は他の印には見向きもせずに龍神印ばかり何年も修法されていたところ、阪神大震災の起こる日の払暁修法中にドン、ドンという音が聞こえたそうです。それで地震のときもまわりは全滅してその方の家だけ助かったというような例もあるわけです。

――そんな不思議なこともあるんですね。

武田 そういう話は日常茶飯事で、多賀大社の社前で伊邪那岐大神の印を結んだら汗がだらだら流れてぶるぶる震えだしてとまらない。それで倒れてしまった。他の参拝者の方に助けてもらって家に帰った。この方は血糖値がかなり高くてちょうど翌日が定期検査の日だったのですが、全くの正常値になっていたので医者が首をかしげたり、そんな話はいくらでもあります。

――なるほど、心して勉強させて頂きたいと思いますが、初心者の場合はまずどの本からチャレンジすればいいでしょう?

武田 まず揃えて頂きたいのは『玄秘修法奥伝』『神法道術秘伝』の2冊です。この神法道術シリーズは古くからのお客様はほとんどお持ちなので、品切れになると増刷までに1年はお待たせすることになります。いまならいずれも在庫はありますのでお早めに確保して頂くのがいいでしょう。

――『玄秘修法奥伝』の重要性はいまお話頂いた竜神印とか伊邪那岐大神の印からもわかります。印を結ぶというと密教ばかりだと思っておりましたが、神道にも印があるんですね。

武田 一般には知られてないだけです。密教の印咒が仏仙界に由来するのに対して、古神道の印咒は神仙界から現界に招来されたもので、古語では「つまぐしのちぎり」と言います。

――つまぐしのちぎり……

武田 「奇霊なる指を以てなす神霊との約束」という意味です。幽契ある秘印を結ぶことによって、特定の神霊の感応を得ることができるのです。これは『玄秘修法奥伝』にしか公開されておりません。ですからこの本は大事なんです。神社神道は表の神道、仏教でいう顕教です。古神道は仏教でいう密教に相当します。ただこの道は仏教系の密教よりさらに奥が深く、一部の修道士のあいだでのみ口伝で伝えられてきたのです。

――『玄秘修法奥伝が刊行されるまで誰も知らなかった……

武田 そうです。ですから『玄秘修法奥伝』を三十年前に刊行したときは、神道界に大変な衝撃が走りました。神道系の印というものがあるらしいが、そこらの神社に聞いてもわからない、はたして本当にそんなものが存在するのだろうか、そんな状況だったわけです。そういうことを知らない今の人たちは、1万2千円が高いの安いのとおっしゃるわけですが、とんでもない話で当時これは百万円の値打ちがあると評されました。

――たしかに誰も知らなかった古神道の秘印が百法も収録されているわけですから当然ですね。

武田 はい。それも富貴印、諸業成就印、除災印、除貧印、除病印、招宝印など日常生活にただちに活用できる印、神社参拝に用いて霊験抜群の清浄利仙君直授の密印、水を清める玄水印、お土取り、お水取りなど気学方面に応験のある五元神印、骨董品や仏像に憑依する霊物を除霊し、神璽や御札のお焚きあげに効ある送神印、運気転換の相生印、相剋印、占断に用いる神占印はじめ、陰魔送神印、注連印、天八降魂尊印、伊邪那岐大神印、天照大御神印、龍神印、神降しの印、降敵印、伏敵印など親切な図解入りなので、初心者からプロまで十二分に活用できます。

また、付録として密教系の九字とは異なる真伝を伝授する『九字真法伝』に加え古書店で数万円する稀書『橘家守符封之伝』も収録しています。

――なるほど、たいへんな本なのですね。

武田 それからもう一つ。『玄秘修法奥伝』が重要なのは霊符です。霊符に関しては『霊符秘密集伝があります。副題に「一名国乃宝」とあるように誠に貴重なもので、筋の良い霊符が339符も収録されています。霊符本としては決定版ですが、明治に刊行されたもので、あくまでプロ仕様で、霊符浄書の作法などの説明はありません。それで『玄秘修法奥伝』では先生にこれでもかというくらいに詳しく霊符浄書法について書いて頂きました。筆、墨、紙の選び方、浄書に必要な天之真名井水の作り方、不要となった霊符の処分法から、浄書の秘訣や筆順、霊符の包み方、霊符観想凝念法、霊符開眼神法等の神法、符術施行の要点まで詳細に解説され、Q&Aまでついています。

――霊符を謹製するのにも『玄秘修法奥伝』は必要なんですね。

武田 はい、霊符にかぎらず、神法道術には符書が必要なものは多いですから。霊符そのものも、霊災除符、生霊不来符、祓霊符、妖気除符、通仙符、呪詛返し符、招福符、招財符、長寿符、諸病一粒符、商売繁盛符、心願成就符、子孫長久符、男女縁・長久和合符、縁切符、帰順符など約百符を収録。どれも未公開のものでこれだけでも貴重です。

――では次に『神法道術秘伝』について説明して下さい。

武田 『神法道術秘伝』は、相当の奥伝まで公開した本ですが、同時に初心者のため神事作法の基本はもとより神法道術の実践上の心構えやコツも伝授し、これから古神道を学びたい人のための入門編としても最適の内容になっています。

神法道術には符法、印法、咒法、念法、麻自物法とそれらを組み合わせて構成される式法があります。『玄秘修法奥伝』は符法、印法、咒法が中心ですが、『神法道術秘伝』は式法と行法を中心にその他の法も含め広くカバーしています。

皆さんがお知りになりたい各種の秘術に関しては「神法道術類簒」という章に約五十法を収録。たとえば切火・切水・祓幣による清祓秘事はあらゆる神法道術を施行する際に必要な修法です。さらに人形(ひとがた)を用いて異性の関心を誘因する恋愛成就秘法、富を招く五元之浮宝伝、五岳真形図祭祀法、危篤病者にも神験ある神伝言寿魂返法、宮地神仙道秘伝の我運顕現秘法、ケガレチを清める桃陣秘伝、邪気を祓う蟇目神伝、普通の水を神水に変える大中臣家の神水伝、清浄利仙君伝の霊縛神法、悪霊落秘法、忌部伝の守護符謹製法、八握剣行事伝、蔭針咒法、山形老仙伝の霊胎凝結秘法、移霊秘法、元覧人鳥山形図神仙界出入秘法などの密伝がこれでもかというばかりに収録されています。

――それこそ、その中の一法でも自家薬籠中のもの出来ればしめたものですね。

武田 そういうことです。さらに『神法道術秘伝』は山口志道の神風伯秘伝、忌部鎮魂伝、本田流の鎮魂帰神法――これは別伝まで収録し非常に貴重です――、松本道別伝の燭火鎮魂法、荒深道斎伝の鎮魂法、松原皎月伝の陽気吸収法、宮永雄太郎伝の数息鎮魂術、伊吹法、石上鎮魂法、伯家行法、平田篤胤の久延彦之伝など主な古神道行法を網羅し、岩笛秘伝についても詳述、「言霊秘詞抄」には宮地水位先生伝の咒歌を多数収録し、「神通霊符拾遺」には神法道術を修する人が身につけて必ず感応ある神通符六種はじめ未公開の霊符が約五十符が収録されています。

――ずいぶん内容が豊富ですね。

武田 それだけではないですよ。とどめに、橘折符という太古真法奥伝の神折符(かみおりふ)まで収録されています。これを年始に謹製し祭祀すれば、その年に確実に寿福をもたらすという誠に貴重な折符です。

――至れりつくせりですね。神折符というと『太古真法玄義』だけかと思っておりましたが、『神法道術秘伝』にも奥伝が収録されているんですね。

武田 そうです。ただこの橘折符の伝をきちんとマスターするためにはやはり『太古真法玄義』も必要になってきます。

――神折符を基本からしっかり身につけるためにはやはり『太古真法玄義』ということですね。

武田 『太古真法玄義』の刊行は平成2年のことで、これも当時の古神道界に衝撃を与えました。霊符は普通は墨や朱墨で書くわけですが、一枚の和紙を折って神符をつくる秘伝が存在するということは噂には聞いていても、それが具体的にはどんなものか、ほとんどの人はまったく知らなかったわけですから。

――それまでは口伝でのみ一部に伝えられていたわけですね。

武田 そうなんです。しかも伝を受けるといってもこれは他の神法道術以上にたいへんなんです『太古真法玄義』みたいに図解にした伝書があったわけではないですから。先師が一回だけ折るのを見てその場で覚えなければならないのです。

――普通の人間ではとても無理ですね。

武田 それが大宮先生の頭には何百種類もの神折符の折り方の手順と施行法がすべて入っている。それだけでも驚異的です。

――すごいですね。それだけにやはり神折符は素人には難しいのでしょうか?

武田 いえ、皆さんには一回見ただけで覚えろというわけではありませんから簡単です。『太古真法玄義』には折り方の手順が親切な図解入りでわかりやすく説明されています。たった一枚の和紙があればいいので、筆も墨もいりません。ですから霊符を浄書するよりもむしろ簡単です。「神通は信と不信とにあり」という心で素直に折っていけばよいわけです。

『太古真法玄義』には鎮魂符、願望成就符、除災招福符、金銭符、蓄財符、商売繁盛符、恋愛成就符、就職達成符、入学祈願府符、病難除符、家内安全符、辟障符、霊魂安鎮符、夫婦和合符、厄除け符、水子供養符、避病難除符、事故除符と一般の方から専門家まで必要な神折符が厳選収録されています。ですからきわめて実用的で初心者向けの1冊ともいえます。これ一冊あれば日常生活においても霊的な面においても、絶対に不自由はしません。本来ならば一符につき伝法料数万円から数十万という貴重なものばかりなので、存分に活用して頂ければと思います。

また重要なのは、清め包みの伝。霊符や神折符を剥き出しで所持してはなりません。必ず本書掲載の清め包みで包んで下さい。これは基本ですので必ず覚えましょう。人に封書で霊符や神折符を送る場合も必ず清め包みで包んで送るようにして下さい。

さらに『太古真法玄義』ではたいへん大事な伝が伝授されています。玄気発現法と神符効能審神法です。

――玄気発現法とは?

武田 霊気を強化する修法です。神折符も霊符も手順通りに謹製すれば必ず効果はありますが、やはり人によってその強弱はあります。神法道術全般についても同じです。それは施行する人の霊気によるものです。ですから日々、この玄気発現法を修して霊気を強化すれば、それだけ符も威力を増すわけです。

――神符効能審神法とは?

武田 自分で作った神折符や霊符はもちろん、神社で頂いた神符や一般に流布している霊符類に広く適用できる簡単でそして絶対に間違うことのない鑑定法です。神折符はその通りに作れば必ず効果はあります。しかし日の巡りや体調により影響を受けたり、大量に作った場合などは本来の神験を十分に発揮できないこともあります。なので不安な場合は効能審神法で確認して、真に霊的に賦活された符のみを用いればいいわけです。

――神社やお寺で授与された神符やお守りなどもこれで判定できるわけですね。

武田 神社やお寺のお守りや神符でもこの鑑定法を適用すれば何の神威も籠もってない死符や虚符があることがわかります。

――これは困る神社さんもあるでしょうね。

武田 そうですね。ですから道場や教会をやってる方は、人に頼まれて神符、霊符、折符を授与する場合は、この方法で的確な感応があるかどうかを確認したほうがいいでしょう。

――さきほどあげられた折符に霊魂安鎮符というのがありましたが、霊魂を安鎮するというのはどういう意味でしょうか?

武田 これは祖霊祭祀に用いる神折符です。祖霊の霊魂を安鎮する、つまり祖霊を冥罪を消滅し悪因縁を解消してその霊格の向上せしめるための符です。本書ではとくに一章を設けてその施行法を説明しております。これは必ずしも神道式の御霊舎ではなくても仏壇でも施行できます。

――これも至れり尽くせりの内容ですね。

武田 さらに本書で大宮先生は言霊、鎮魂法、古武道、太占、易、気学、家相、手相にまで広く言及しておられますので、これ1冊あれば霊学全般を広くかつ深く見通せると思います。

――ところで太古真法はもともと伊勢神宮が発祥とか?

武田 伊勢神宮ではなく伊勢の斎宮です。古代では未婚の皇女を神に奉仕する御杖代(シャーマン)として立てました。その斎王のおられた宮廷が斎宮。ここで斎王は神折符を折りながら修行され、神界と現界を自在に往来したと伝えられます。

ですから太古真法はまた斎宮神法とも言います。様々な伝承ルートがありますが、松浦家伝では天孫降臨とともに三種の神器につけて地上にもたらされ、伊勢斎宮の姫君が密かに護持し、南北朝以降に松浦家等に伝わり、今日に至ったということです。『太古真法玄義』ではそのあたりも説明していますが、詳しくお知りになりたい方は、松浦彦操『神典形象』(みふみかたどり)もお読みになるとよいでしょう。原本は昭和15年に刊行され、折符というものがある、斎宮神法というものがあるということはこの本を通じて知った方が多かったのですが、私がこの道に入った頃には希少本で入手にずいぶん苦労しました。それで今から20年ほど前に復刻して多くの方に感謝されました。

――『実践 太古真法 神符秘伝』というDVDもありますね。

武田 折る手順が本だけではわかりにくいという方のために制作しました。書籍『太古真法玄義』と重ならないように、本には未収録の秘伝の神折符が中心になっているのでお買い得です。このDVDでしっかり勉強すれば太古真法玄義』に所収の神折符の折り方も理解しやすくなります。折符を作るうえでいちばん大切なことは、一気に折り上げることです。そのためには、このDVDで徹底的に練習して下さい。そうすると『太古真法玄義』の図解を見ても、自然に頭に入るようになります。

なお、少しでも多くの方に神折符になじんで頂きたいので、ふつうの折紙からでも入りやすいように『幸せを呼ぶ折紙の秘密』という本も先生に書いて頂いております。

――『神法十種神宝秘玄』とDVDもありますね。

武田 ニギハヤヒノミコトが天降られる時に、天照大御神から授けられた十の神宝を十種神宝と言います。これに淵源する十種神宝の秘図があり、これは比較的知られてますが、実はその秘図の力を賦活する秘印と一連の修法があります。これは世の表には出ず、密かに裏の神道の流れにのみ伝えられてきました。この修法は一連の動作を含むもので、公開するにあたって、書物では説明が困難なのでDVDにさせて頂いたわけです。

これも最初にVHSで出たときには神道界に激震が走りました。十種神宝の秘印や式法などその存在すら知っている神職などいなかったので当然です。

また、DVDの後半は神秘的なフラクタル映像の背後で、大宮司朗先生自ら十種神宝の密咒を唱えて頂いておりますので、視聴するだけで体内霊気が賦活されます。ぜひご活用下さい。

――ところで太古真法にしても霊符にしても和紙は必需品だと思うのですが、どこで入手すればいいのでしょう?

武田 和紙を扱う店舗も少なくなりました。また本格的な和紙を入手しても大きさや寸法比は千差万別です。そのために太古真法には紙合わせの伝がありますが、出来ればすぐにその場で使える和紙があればというご要望があって、『神法和紙セット』を販売しております。これは高級な石州楮和紙をあらかじめ紙合わせの伝に則って裁断したもので、お守り袋に入れて持ち運ぶことを考慮した【B7サイズ】75枚、神棚などに奉斎することを考慮した【B4サイズ】50枚が1セットになっています。

――それはありがたいですね。ところでよく言霊ということを耳にしますが、『言霊言修秘伝』はどんな内容ですか?

武田 『言霊言修秘伝』の刊行は平成七年。これも当時の神道界に激震が走りました。言霊については弊社は大石凝真素美と山口志道で先鞭をつけてきました。これも画期的で神道界ではこんな秘伝があったのかと驚かれましたが、さらに実際に言霊を出す修法があるなんてことは誰も想像もつかなかったのです。

出口王仁三郎はトランス状態に入ると蚕が糸を吐くように無限に和歌を詠み続けましたが、その秘密を解明したのが『言霊言修秘伝』です。キリスト教でいう異言(グロッサリア)とも関連しますが、口から無意識下のコトバが発せられ、それが集合的無意識界からのコトバになり、そしてついには神のコトバを発する、その方法が「言霊神感法」として本書ではじめて開示されたのです。というとすごく難しく感じられるかわかりませんが、一言、三言、五言とシステマティックに発声を積み重ねると、やがて自然に言霊が和歌の形式で湧いてきます。それが時によって、神霊からのお気づけとなり予言ともなり啓示ともなりうるのです。

そしてもう一つが「言霊神呪法」です。これは『太古真法玄義』でも開示された玄気発現法が基本となります。その上に真寿鏡霊法を修して行ずるのです。これに則って言霊を発することで、その言霊の威振によって自らの願望を成就するわけです。

――なるほど。言霊神感法と言霊神呪法、これだけでも凄そうですが、目次を見るとずいぶん盛沢山ですね。例えば、「霊符活玄言霊大秘法」というのはどういう神法なのでしょう。

武田 言霊の力によって霊符を開眼するたいへん重要な修法です。霊符は基本的には浄書すればよいのですが、教会や道場ではやはり開眼修法が必要な場合があります。開眼修法は玄秘修法奥伝』にもありますが、これはもっと簡単で言霊力があれば、正式な開眼修法とほぼ同等の効力を得ることができるというものです。

さらに言霊力によって自分や他者の病を癒す「言霊治療法」、言霊によって霊力を発現し、その霊力を空間を隔てた第三者に感通させ、また金属、紐、糸などの物質に宿らせ、それに接触した第三者を感応させる「霊感玄通法」、言霊により霊風を起こす「霊風発玄法」等の奇霊な妙術が豊富に収録されています。

――『言霊玄修秘伝』には「特伝秘咒」として即座に霊験のある秘咒約二十数法が収録されていると案内にありましたが、こういう咒は言霊の力が十分でなくても効験が期待できるのでしょうか。

武田 宮地水位先生伝をはじめ、旧家古社に伝わる秘咒の中から筋の良い咒を大宮先生に厳選して頂きました。こういう秘咒には神界との幽契があり、言霊の力がない人が唱えても功徳は十分にあります。それは大祓詞などでも同じことです。しかし言霊神呪法を習得し言霊力を鍛えればさらに著しい効験が得られるでしょう。

なお、『言霊玄修秘伝』には清浄利仙君直伝の印と咒も収録されています。これは『玄秘修法奥伝』では神拝三印のみの伝授でしたが、『言霊玄修秘伝』では避魔、安鎮、入山など七印が咒とともに伝授されています。これだけでもたいへんな値打ちものです。

―――『禁厭秘帖』はどんな内容ですか?

武田 禁厭とはすなわち「まじなひ」です。俗世間に流布している「まじない」には、何の根拠もない愚にもつかないものが多いため、とかく「まじなひ」というと軽くみられがちですですが、本当の「まじなひ」は立派な神法道術です。禁厭の「禁」は禁止、「厭」は鎮壓(圧)で、つまりは災いを抑え止め、害を抑え止めるという意味です。ですから、霊符や咒などで一定の式法を伴わないものも含めて斯道では禁厭と言ったりもします。

平田篤胤はマジナヒの「マジ」は「交わる」の「マジ」と同じで、「彼方の体に此方の霊を交ふる意」であるとし、宮地水位先生もマジナヒとは「交え合わす義」であるとされ、様々な「まじなひ」を蒐集し深く研究されました。ある「まじなひ」一法を入手するため、その所持者と数年にわたって交際を続け、その人が金銭的に困難になった時を見計らい万金を積んで入手されたという逸話があるくらいです。本来はそれぐらいのことをしなければ、たったひとつの簡単な禁厭や秘言すら入手できないのです。

本書は、その宮地水位先生の禁断の秘書『禁厭秘辞』『禁厭集』を土台に、大宮先生が禁厭の玄理、歴史、実践のコツなどをわかりやすく解説し、さらにこの二著や通常の人の目に触れることのない稀覯書の中から、一定の信憑があると判断された「まじなひ」を撰び収録したもので、これまで公開されることのなかった重秘のものもかなり含まれております。

少し例をあげますと、強運符、訴訟に勝利を得る符、振り替えしの秘法、諸病治符、憑霊判断法、縁切り法、竈神符、男と手を切る法、商売吉祥符、福を招く符、方災除けの札、神桃 術、防妖魅符、辻占法、呪咀返し、十字の大事、憑物道切符、病人の生死を見わける法、寿命百歳を保つ符、狐狸退散法、辟呪咀符、伝染病を避ける法など八十二法が収録されています。

多忙な現代生活においては、最初から厳重な手順の多い式法に接しても容易に実践できないこともままあります。その意味で手軽に実践できる禁厭(まじなひ)は、より集中力が要求される式法へと進む階梯としてふさわしいものともいえます。もちろん複雑だから偉い、簡単だから軽いというようなことはありません。むしろ、一発の「まじなひ」が、心のこもらぬ、神人の気が交じりあわぬ祈祷にまさる応験をもたらすことも往々にしてあるので、そこは心して修して頂きたいと思います。

さらに本書の最大の目玉として「特別伝法」として、神呪三法収録されてます。これは私から先生に特別にお願いしました。この三法はその名称そのものすら秘事で、誓約書を頂きたいくらいの密伝なので、だからこそ「特別伝法」なのです。内容的には「願望を神界に到達せるための神呪」「あらゆることに勝利を得るための秘言」「祈願の念意が神仙界に感通する神呪」の三つの神呪です。これだけでも値千金であると断言できます。

――最後に武田社主の「大宮司朗先生の神法道術直伝シリーズを読む」というDVDについて一言お願いします。

武田 このDVDは『玄秘修法奥伝』『神法道術秘伝』をお持ちの方を対象としています。神法道術シリーズは初心者にもわかりやすいように配慮されています。本文はすべて現代語で漢字も新漢字です。しかしやはり咒や祝詞は歴史的仮名遣いなので、戸惑う方もおられます。また『玄秘修法奥伝』に所収の五元神の印なども、陰陽五行の基本概念をよく理解しないとぴんと来ないところもあります。あるいは神名などに関しても、これは古事記のどこそこということまでは説明はされていません。そういう基礎教養的な部分も含めて補完するのがこのDVDの一つのポイントですが、ついつい本にはないコツや秘儀に触れているところもあるやも知れません。ですからDVD単独でも古神道の基本を学べる内容となってますが、『玄秘修法奥伝』『神法道術秘伝』をテキストとしての説明なので、できればこの二冊をお手元に置きながら視聴して頂くのがいちばんかと思います。

――いろんなお話をお伺いしてきましたが、『玄秘修法奥伝』の印法といい、『太古真法玄義』の神折符といい、『言霊言修秘伝』の言霊神感法といい、すべて公開当初は衝撃的だったというのがとても印象に残りました。

武田 そうですね。それらが今ではこういうふうに一同に会して並んでいますので、神法道術を学ぶということに関しては、今の方は三十年前にくらべてずいぶんと学びやすい環境だと思います。ぜひ積極的に取り組んで頂きたいと願う所存です。


霊符と秘印の実践書「玄秘修法奥伝
神法道術の入門から奥伝まで「神法道術秘伝」
夢見の法から霊胎結成・識神駆使まで「玄想法秘儀』
霊力賦活の大秘法「言霊玄修秘伝』
神折符の秘伝書「太古真法玄義 第三版」
霊学の必携図書「霊学講座」
「DVD 十種神宝秘玄」
「DVD 太古真法神符秘伝」

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トークイベント「壁の外に歴史はあった!」(2025年10月25日)

【壁の外に歴史はあった!】

『東日流外三郡誌の逆襲』出版記念トークイベント

トーク:古賀達也・武田崇元・黒川柚月

古代史最大のタブー『東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)』に真正面から挑んだ衝撃の書籍『東日流外三郡誌の逆襲』(八幡書店刊)。

本書の登場により、「偽書」VS「正史」という単純な構図は崩れ、逆に問われるのは近代日本の “歴史認識” そのもの。
既成の壁を越えた「もうひとつの歴史」を求めて、あなたもこの知的冒険に加わってみませんか?

「逆襲」の編著者 古賀達也(古田史学の会代表)、和田喜八郎と交流のあった弊社社主武田崇元、そしてゲストとして登壇する黒川柚月が、それぞれの視点からタブーの核心に斬り込む。三者三様に『東日流外三郡誌』に対しては温度差があるだけに面白い。

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【トークの見どころ(一部)】

●古賀達也による冷静かつ鋭利な文献批判と、新たな資料的価値の提示!

●武田崇元が語る、和田喜八郎との邂逅と『東日流』の伝承と霊的背景!

●黒川柚月が明かす!麻賀多神社~平将門~東日流文書をつなぐミッシングリンクとは?
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●日時:2025年10月25日(土) 13時~17時(途中休憩あり)

  ※それぞれ、開始15分前から受付開始します。

  ※終了後、懇親会あり
  (別料金当日精算。後日ご案内します)

●場所:ゼン・ハーモニック(ZEN-HARMONIC)
     5階 セミナールーム

●アクセス:
東京メトロ有楽町線「麹町駅」徒歩 1 分
東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」徒歩 6 分
JR 中央・総武線「四ツ谷駅」徒歩 10 分

※「麹町駅」からの行き方:
4番出口から左に出て、( 株 ) ニップン(NIPPN)の角の信号を左折。
 ↓
50m ほど歩いて左に見える白い「高善ビル」のエレベーターで上がります。

●トーク:古賀達也・武田崇元・黒川柚月

●募集人数:50名様限定

●参加費:5,000円+税=5,500円
   【早割:9月30日までにご予約の方は4,500円+税】

●お申し込み方法

下記サイトにてお申し込み下さい。

八幡書店ANNEX
https://hachiman2.stores.jp/

電話でのお申し込みも受け付けております。03-3785-0881

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八幡書店夏期セミナー2025(2025年8月9-11日)

霊の炎で、猛暑を吹き飛ばそう!
来場の方には漏れなくお楽しみプレゼント(パワーストーン、書籍)あり!

武田崇元 × 黒川柚月の強力タッグが、隠された霊的知の核心に迫る!

古神道・大本・日月神示・数霊・予言──

主な内容(予定):増補改訂版『出口王仁三郎 言霊CDブック』と岡本天明『古事記数霊解序説』を軸に深掘り/かつて大本教で行われた「言霊祝詞奏上法」の再現と解析/『古事記』神話に秘められた数霊の構造分析『日月神示』の数霊コード/武智時三郎と伯家神道/川端康成のBL小説「少年」と八重垣神社の謎/宮中祭祀を担った久邇宮家と王仁三郎の霊的軌跡/封印された歴史の闇/「予言の現象学」──たつき予言は本当に“ハズレた”のか?

早割7/30まで延長

★6時より希望者は懇親会あり(別料金4000円程度)

言霊神感ますみ修法講座 4回+特別鎮魂実修 【15名様限定】

2025年8月10日(日) 午前10 時〜17時

講師:黒川柚月

参加費:24,000 円+税【これまで受講した方は18,000円+税】

講座の内容:お題から息吹く「サキテウケヒ」/古代歌垣の体感実習/「うけひ神事」の実践体験/毎回進化するプログラム構成:基本を大切にしつつ新たな要素を導入/リピーターにも新鮮な学びと気づきを提供/恒例の「特別鎮魂実修」も実施

こんな方におすすめ 言霊の力を実感したい方霊的エネルギーを高めたい方真の癒しと浄化を求める方修法や神事に興味のある方

古史古伝に秘められた、もうひとつの日本史。その封印を解くカギを握る二人による
未公開エピソード“ぼんぼん”炸裂の濃密イベント、どうぞお見逃しなく!

8月11日(土)13 時~ 17 時

講師:木村信行・武田崇元

【見どころ】「むっちゃん」こと竹内睦泰を世に送り出した、伝説の古史古伝マイスター・木村信行氏、ついに登壇!『ロマン的超古代史論』『日本超古代遺跡紀行』など、古史古伝研究の金字塔を築いた第一人者が語る/戸来村キリスト伝説を発掘し『東日流外三郡誌』を世に広めた武田崇元と激論!/研究の舞台裏と、ここでしか聞けない未公開エピソードの数々!

こんな方におすすめ:古史古伝や超古代史に関心のある方/『竹内文書』『東日流外三郡誌』のリアルな発掘秘話を知りたい方/戦後オカルティズムと異端の歴史研究に魅かれる方武田・木村 両氏の“本音トーク”をライブで聞きたい方

★6時より希望者は懇親会あり(別料金4000円程度)

早割7/30まで延長


《それぞれ共通》

●場所:
ゼン・ハーモニック 5階セミナールーム(ZEN-HARMONIC)
東京都千代田区麹町 4-8 麹町高善ビル5階
Google 地図:https://maps.app.goo.gl/RXJFN1YiA2GqgkWz7

●アクセス:
東京メトロ有楽町線「麹町駅」徒歩 1 分
東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」徒歩 6 分
JR 中央・総武線「四ツ谷駅」徒歩 10 分

※「麹町駅」からの行き方:
4番出口から左に出て、( 株 ) ニップン(NIPPN)の角の信号を左折。

50m ほど歩いて左に見える白い「高善ビル」のエレベーターで5階です。

●お申し込み方法

【終了しました】

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言霊神感ますみ修法講座[第3回]

お題から息吹くサキテウケヒ、歌垣実習に加え、「うけひ神事」まで、基本を踏まえつつ、毎回、変化をつけた講座になりますので、はじめての方はもちろん、前回受講の方も新たな体験が得られるでしょう。また恒例の特別鎮魂実修も斎行致します。
参加費:
初回の方:26,400円(24,000円+税)
これまでに「言霊神感ますみ修法講座」「古神道作法講座」に参加されたことのある方:19,800円(18,000+税)

●お申し込み方法

【終了しました】

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八幡年末スペシャル対談2024

第1部【霊的最前線からの報告:境界線の向こうに何が見える】
つねに霊的最前線に立ち続ける武田講師、黒川講師がそれぞれ現在進行形の新発見や探求中の課題について縦横無尽に語ります。さらに『日本超古代遺跡紀行』の木村信行先生をゲストに迎え、カタカムナに繋がる極秘資料について語って頂きます。
【主な内容】平将門は麻賀多神社で新皇に即位した!/鬼倉足日公・川面凡児・高浜清七郎を繋ぐ秘教ネットワーク/武智時三郎の数霊学と和学研究所/カタカムナとリンクする新資料/『東日流外三郡誌』の逆襲/富士講と大本教を繋ぐミッシングリンク/旧事本紀の神統譜と五行神、その他、何が飛び出すかわかりません。
参加費:7,700円(税込)
第2部【年忘れディナートークショー】
会場を2階のZENカフェマリーナに移し、美味しい料理を食べながら2024年の霊的シーンを振り返、また特別ゲストを交え武田崇元社主が八幡書店創立の頃の霊的情況について語ります。
参加費:7,700円(税込)

●お申し込み方法
下記URLからお申し込み下さい。
https://hachiman2.stores.jp/

電話でのお申し込みも受け付けております。03-3785-0881

「年忘れディナートークショー」は準備の関係で12月25日で締め切らせて頂きます。

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『原典対訳 日月神示』出版記念セミナー(2024/7/7 )

このたび、八幡書店のグループ会社「今日の話題社」から『原典対訳 日月神示』が刊行されましたので、出版記念セミナーを開催いたします。

登壇者は、

「日月神示」を広く紹介し一時代を築きあげた中矢伸一氏、

山口志道『言霊秘書』をひっさげカタカムナ業界に新風をもたらした風雲児天道仁聞氏、

出口王仁三郎・日月神示から伯家神道まで走査する博覧強記の黒川柚月氏、

70年代から多くの神業者と行動を共にしてきた佐竹譲氏、

そして70年代から古神道復興を領導してきた弊社社主武田崇元。

こんな豪華メンバーが一同に会することは奇跡ともいえます。

これまでの枠組みを超えた「日月神示」の新しい時代が始まる瞬間に、ぜひ立ち会ってください。
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言霊神感ますみ修法講座(2024/6/29)

『言霊玄修秘伝』所収の「言霊神感法」の速習実地指導です。

一言霊修からはじめ、三言、五言、七言と進み、一日で「五七五七七」の神歌が出るまで徹底指導します。

初心者歓迎。15名様限定。

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古神道行法の全てがここに!大宮司郎先生の神法道術シリーズ!

ロングセラーを続けている大宮司朗先生の「神法道術直伝シリーズ」……伝法料が一法何万円もする未公開の重秘の修法を満載した本シリーズは、他に類書がなく、古神道のデファクト・スタンダードとしてすでに書架に揃えておられる方も多いかと存じます。しかし、最近、古神道に興味をもたれた方からは、いったいどのような内容なのか、どの本から読み進めればよいのかという質問が多く、寄せられています。そこで年初にあたり、弊社社主による問答形式の説明を掲載することにしました。
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百鏡

 伝説の出口王仁三郎カルタ、ももかがみ完全復刻版を皆さんはもう入手しただろうか?まだなら是非この機会に購入して欲しい。たしかに値段はカルタにしては安くない。しかしこれは単なるカルタではなく、いわば神品の完全復刻なので、罰当たりにならぬよう伝統に則り和紙で裏張りされている。技術を持った職人が減少していることもあり、今や殆どのカルタではこうした裏張りはされていない。当然、原価は高くなったが、それでもあと五年もしたら、いくらお金をかけても作れなくなる可能性を考え、大変な費用をかけて制作した。だから皆さんには一家に一体、いや本音を言えば一体は永久保存の神宝として安置し、一体は日々これを手にとって親しめるよう二体購入して頂きたい。もちろん売りは高度な職人芸や素材の良さだけではない。珠玉の中身がある。
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